携帯電話の普及により、固定電話を家であまり使わなくなりましたが、
それでも、ほとんどの家には、たとえ新築マンションであっても
電話用のモジュラージャックがついています。
この電話用のモジュラージャックは、PCをつなぐインターネットLANケーブルのコネクタに似ていますが、似て非なるもので、ここにPCをつなぐことはできません。
一方で、電話なんてスマホしか使わないという家の方は「これがLANだったらな」と思うこともあるんじゃないでしょうか。
今回は、電話線のモジュラージャックを、インターネットLANに変更します。
【有線LANのメリット】
最近では無線LANが随分と普及してきたので、有線のLANケーブルなんて必要ないように思えますが、無線LANには「通信が安定しない」という弱点があります。
無線LANは、電波で通信していますので、他に電波を出すものがあると干渉して使えなくなります。例えば電子レンジを使うとつながらなくなりますし、隣の家の無線LANが強すぎても使えなくなることがあります。
ほかにも、無線LANルーターから離れていたり、間に障害物があるだけで回線は弱くなります。ぶっちゃけ扉を閉めただけで回線がつながらなくなることもあります。
最近はコロナの影響でテレワークが増えてきていますが、大事なテレビ会議の際などは、回線が切断されやすい無線LANよりも、有線LANで接続することをお勧めします。
【作業の概要】
簡単に言うと、電話線のコネクタ部分だけLANのものに変えることで、
電話用のケーブルにLANの通信が通るように変更してしまう、ということです。
ただ、いろいろと条件があります。
これが私の家のインターネット回線、および電話線の図です。
私の家では、インターネット回線も電話線も、下駄箱から部屋の中に通っています。
また、下駄箱にはインターネット回線用のルータが設置されています。
各部屋への回線は、インターネット回線も電話線も、下駄箱から分岐しています。
こんな風に、電話線とインターネット回線が同じ場所を中継して部屋の中に通る
構造の場合に、電話のモジュラージャックをインターネットLANに変更することが
可能です。
これを、こうするのです。
行うべきは3つです。
① 変更したい部屋の電話用モジュラージャックを、インターネットLANのものに変更
② インターネット&電話が集約されている側に、LAN用のモジュラージャックを設置し、
①で変更した部屋の電話線をそちらに繋ぎ変える。
③ ルータと、②で新設したモジュラーを、LANケーブルで接続する。
【必要なもの】
・LAN用のモジュラージャック 2個
⇒ 電話用のモジュラージャックから変更するためのものです。
2個で1500円ぐらい。ネットで買えます。

今回はパナソニック製のものを買いましたが、
部屋のコンセントのメーカーによって規格が異なるので、
調べてから購入する必要があります。調べ方は後述します。
・LANケーブル 1本
⇒ さきほどの③で説明した、
ルーターとモジュラーを接続するためのLANケーブルです。
LANケーブルの規格は様々ありますが、「CAT5」「CAT5E」「CAT6」「CAT7」
のいずれかであれば問題ありません。CAT5、CAT5Eが安いのでお勧めです。
・通電テスター
⇒その線に電気が通ってるかどうか確認するツールです。
300円~1000円ほどで手に入ります。
電力を測れるものなの、いろんな物がありますが、
電気が通ってるか確認するだけのシンプルなもので充分です。
・工具。マイナスドライバー、プラスドライバー、ニッパー、ラジオペンチ等
【事前作業:モジュラーのメーカーを調べる】
まず、部屋側のコンセントのベゼル(ガワ)をはがします。

マイナスドライバーを横から入れると取れるはず。
※ベゼルが割れないよう、慎重に
こんな感じになります。さらに白い外枠にあるネジと、
内側にある4つのネジを外して、壁からコンセントを引きはがします。
上から見るとこんな感じ。 青いところがモジュラージャックです。
モジュラージャックには2本の銅線(青、白)がつながっていることが解ります。
また、その横には、使われていない2本の銅線(茶・黒)があることも解ります。
つまり、銅線は合計で4本あるはずで、これをまず確認するようにしてください。
※余ってる銅線が2本無い場合、つまり銅線が合計4本無い場合は、
今回の作業はできません。 何色でもよいので、合計4本あることが必須です。
さて、このモジュラージャックのメーカーを調べていきます。
上の画像、青い箇所の左上に「15629W」と型番が書かれているのが見えます。
今回はPanasonic製の製品であることが解りました。
ネットで検索して上位にヒットしたサイトを調べると、
同型でLAN用のものが販売していると思いますので、それを購入してください。
今回だとNR3160Wという型番のものでした。

【作業①:部屋側のモジュラージャックを付け替える】
先ほど説明した作業の要領で、コンセントを壁から取り外します。
後ろからみると、モジュラージャックの左右の白いツメで基盤に固定されていることが解ります。マイナスドライバーなどで押さえて引っ張り、モジュラージャックを取り外します。
さらに、モジュラージャックに繋がっていた2本の銅線も、ニッパーで切断します。
壁から伸びてきたケーブルは、こんな風に四本の銅線で構成されていることが解ります。
先ほど切った青と白の銅線だけは短くなりましたが、これぐらいなら問題ありません。
さて、この銅線をLAN用のモジュラージャックに接続していくのですが、
ここでちょっとひと手間。
今回入手したモジュラージャックの前面には「CAT5E」という表記がありましたが、
このうち”E”の文字だけ、上の画像よろしくヤスリなどで削って消しておいてください。
CAT5Eとか、CAT5という表記、
これはLANケーブルの規格を表すもので、簡単にいうと
「CAT5E」:1000Mbps
「CAT5」 :100Mbps
の回線速度となります。
今回は、最速で100Mbpsの回線速度となります。
1000Mbpsの回線速度を出すためには、8本の銅線が必要なのですが、
4本しかないため、100Mbpsとなるんですね。
100Mbpsしか出ないのにCAT5Eと書いておくと嘘になるので、
Eを削ってCAT5にしておきましょうと、そういうことです。
削ったら、銅線を繋いでいきます。
モジュラージャックの裏を見ると、何やら1~8までの数字がかかれており、
そこに銅線が引っ掛けるようになっていると思います。
(メーカーにより仕様が異なる場合には、メーカーの説明書を読みましょう)
このうち、1・2・3・6に銅線を一本ずつ通してください。
今回の製品の場合、左側の4つですね。右側の8・7・4・5は使用しません。
銅線の何色を何番に通すといった決まりはありませんが、
何番に何色を通したかが、後でわかるように写真を撮っておいてください。
銅線を通したら、元々電話用のモジュラージャックに接続されていなかった
二本の銅線(※今回だと黒と茶)の先のビニールをむいて、
銅線のメタルの部分同士が接触するようくっつけて
セロテープなどで固定してください。
これ、今は意味が解らないと思いますが、あとで役に立ちます。
ここまで終わったら、そのまま対向側の作業にはいります。
※LANのモジュラージャックを壁に取りつける作業を、今の時点でやってはいけません
【作業②:対向側にLANのモジュラージャックを新設して付け替える】
対向側の作業にはいります。
今回だと、下駄箱の上側になります。
最近のマンションだと、ここにあることが多いです。
LAN用のルーターの奥に、電話線用のモジュラーが上下二つ見えています。
上は外部との接続用で、下は各部屋に繋がっています。
つまり、この下側のモジュラーの裏側に、
先ほど作業をしたケーブルが伸びてきているはずです。
こんな具合に外して、
裏側をチェック。
上の画像の白い箱のようなものが、モジュラーの下側です。
(上側はややこしいので一旦外しています。)
こんな具合に、各部屋から伸びてきたすべての電話線が、ここで集約されています。
ケーブルの根本を見ると4本1束になっているので、
束ごとのグループの見分けがつくのですが、どの束がどの部屋に伸びているのか、
先ほど作業した銅線がどれなのか、このままではわかりません。
そこで、通電テスターを使います。
各ケーブルの銅線のうち、使われていない銅線(黒・茶)にテスターの端子を当てて、
通電の反応があるかどうかチェックしてみてください。
大抵のテスターは、通電が確認できた場合、音や光が出ます。
この際に反応があったケーブルが、先ほど作業をしたケーブルの束ということになります。
先ほど、部屋側のケーブルの黒と茶の銅線を接触させているので、
こちら側の正解の黒と茶の銅線にテスターの端子を当てると、通電するはずなんです。
これをしたいために、先ほど黒と茶の銅線を接触させたんです。
さて、お目当ての銅線の束が解ったら、該当する束の白・青のケーブルを
ニッパーなどで電話用のモジュラージャックから切り離して、
新しく用意したLAN用のモジュラージャックに接続します。
接続する際には、①でやった色と数字の対応と同じ配置にすること。
今回は、1:白、2:青、3:黒、4:茶 としています。
配線が終わったら、付属のカバーの部品を取り付けます。
銅線の余分な部分もニッパーで切りそろえます。
さて、こんな具合に新しく用意したLAN用のモジュラージャックですが、
設置するスペースを作らなくてはなりません。
厳密にいうと、設置するスペースは3スロットで足りるのですが、
それにベゼルが対応していません。
そこで、ベゼルを切って、対応させます。
↑は作業前のベゼル。これを物差しとカッターナイフでこんな風に切ります。
これで、先ほどの下駄箱のコンセントにモジュラージャック諸々を戻すと
こんな感じになります。
先ほどの作業前の画像と比べればわかると思いますが、
電話用のモジュラー(上)を一段下に下げて、空いたスペースにLANケーブル用の
モジュラーを設置しています。
あとは、部屋側のコンセントも同じように直します。
先ほど接触させた茶と黒のケーブルも外して、
余分なケーブルを切り取っておいてください。
(接触させたままにしておくと故障の原因になります。)
こんな感じ。傍目には改造したとは全く気付きません。
【作業③:ルーターと新設したモジュラージャックをLANケーブルで接続】
こんな具合に、ケーブルを接続します。
一番上のコネクタ部分が黄色いケーブルがLANケーブルで、
先ほどのルータの空ポートに接続しています。
こちらも、改造したとは全くわからない仕上がりですね。
速度テスト結果。90Mbps前後。普通のインターネット回線の速度です。
これで、我が家はリビングでもノートPCでテレビ会議が出来るようになりました。
(YOUTUBEばっかり見てるけど。 )
【付録:Q&A】
Q:マンションやアパートで、勝手に改造してもいいんですか?
A:知りません。自己責任でお願いします。
ただ、仮に改造したとして、それに気付ける人など居ないでしょうし、
誰も何も困らないとは思います。
Q:電話線がなくなったら何か問題があるんじゃないですか?
A:知りません。自己責任でお願いします。
ただ、2020年現在の日本で、固定電話を使用するメリットは、
会社などを設立した際に社会的信用を得られるぐらいしかありません。
社会的信用を固定電話で得たくないなら一切不要だと思います。
Q:電話線がなくなったら災害時などに連絡が取れなくなるのでは?
A:知りません。自己責任でお願いします。
ただ、電話線ごときに頼るような災害対策など無価値とは思います。